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徳島で働き始めました。


by lulucchi

ほっとした開幕vsガイナーレ鳥取@ポカスタ。

3月6日行われたガイナーレ鳥取との初戦は1-0での勝利。
今季は昇格を掲げるだけに、ここでは負けられない・・・と思っていましたが、きっちり勝ちきることができました。
まずは一安心。
以下、気になっていた点などについて記していきたいと思います。

【昨季からの布陣の変更】
昨年は4-4-2の布陣を主に使っていたヴォルティスでしたが、今季はキャンプ中から4-2-1-3、あるいは4-1-2-3の布陣を主にテストしていました。日本代表もこんな布陣を最近使っていますね。
これらのシステムの一番重要な点は先頭の3人の真ん中とボランチ。
先頭の人間で言えばW杯時は本田が勤めていましたし、アジアカップでは前田が勤めていましたね。
このポジションに求められるのはしっかり体を張れる肉体とスピード、守備の第一段階として相手をチェイスできるスピードとスタミナだと思います。

ヴォルティスでこのポジションに主に起用されるのは生え抜き3年目の佐藤。今回目を見張ったのは彼の成長でした。以前に比べてパワーとスタミナに秀でているような感じ。彼が起点になるからこそ柿谷・衛藤・杉本が自由に動けるようになると思います。一方で彼が前線の起点にならないと、今回の前半のようにボールが収まらず、空中戦では苦戦するようにも思いました。とはいえ、現状彼の代わりはいないのでここは頑張ってもらうしかありません。

次に二人のボランチ。昨季中盤より苦戦した理由の一つとして、守備型ボランチである青山の骨折による戦線離脱がありました。攻撃重視を標榜した昨季はこの前後の時期から攻撃的な選手をボランチに入れ得点力の拡大を狙っていましたが、結果的に守備陣のリスクを高めてしまい失点をも増大させてしまう問題点もはらんでいました。

今季はその青山が浦和に移籍。代わりになる選手の発見が課題の一つであったように思います。結局そのポジションを埋めたのはシーズン前に急遽加入したマーカス。彼が入ってから、ある程度チームの守備は落ち着きを見せるようになります。このポジションには彼の他にも濱田・倉貫・福島と選手が揃っており、最適な組み合わせをシーズンの所々で見つけていく必要があると思います。


【前半苦戦の理由】
私は普段ゴール裏で応援しているのですが、そこから見た前半は非常にフラストレーションのたまるものでした。大きなロングパスを攻撃主体とするのですが、ボールが収まらずセカンドボールがつなげない。鳥取は初Jリーグの緊張もなく果敢に寄せてくるため、なかなか攻撃の起点を掴むことができないわけです。
とは言え、録画を見てみるとその一方で危ないシーンも少ないことが見受けられます。西嶋選手のコメントなどにもあるようにスリッピーな芝を避け、自陣での不用意なボールロストをしないよう心がけていた部分もあるように感じました。事実、ゲーム自体の主導権を取られる展開もあったものの、ゴール前では三木・島村により相手FWには決定的な仕事をさせませんでした。

【鳥取の攻撃】
正直「けっこういい攻撃を仕掛けてくるなぁ」と思った鳥取の攻撃。多くの局面において、その起点となったのは相手MF美尾でした。左サイドから自由に攻撃してくる彼には平島なども手を焼いているように感じました。前半GKスンフンがはじき出した枠内へのミドルシュートも彼が放ったものでした。
一方で阿部・鶴見の両FWはPA内では今日は難しかった感じ。前線までボールが渡らないため鶴見が戻るシーンも多く、孤立する場面も多く感じました。

【4-4-2への変更】
後半のころからかヴォルティスは柿谷が少し下がり気味になり4-4-2へとシステムを変更。これは前半よりもサイドの起点を掴むことと守備での役割を明確にすることが狙いであるように感じました。事実これ以降鳥取の攻撃は美尾・金の攻撃への印象は薄くなり、一方ヴォルティスはサイドを有効に使えることになったことで中央への圧力が減り、後半12分の得点シーンへとつながっていったのだと考えられます。

【柿谷の得点】
得点シーンは杉本が開いて相手選手3人をを引きつけておいて柿谷へとパス、うまくボールを受けてから相手の逆を突くようにシュートを決めるという技ありのものでした。相手DFは戸川が釣りだされた、というのもあるし、右サイドから平島が上がってきていたためそのケアもせざるをえなく、手詰まりになった感じがします。
とは言え、このゴールも平島の献身的な上りと杉本のボールコントロール、そして何より柿谷の素晴らしいシュートがあったから達成できたも文句なしのゴールであると思います。
この試合で初めてのゲームキャプテンを務めた柿谷は、これでまた一回り大きく成長できたんじゃないかなぁ・・・と思ったり。

【鳥取の反撃と徳島の追撃】
サイドの守備に忙殺され思うように攻撃の糸口をつかめない鳥取は、16分鶴見に代えハメドを投入。これは攻勢を強めてきた徳島に対し、スピードのあるハメドにより守備陣の裏を狙うぞ、という意思表示であったように思います。一方でヴォルティスは衛藤に代え徳重を投入。前線を鼓舞し、またシュートを狙えるアタッカーを増やすことでさらなる圧力を鳥取にかけていきます。
この結果さらに優位に立ったのが徳島。何度もFK、CKのチャンスをつかみ、再三ゴールをうかがいます。ガイナーレはGK小針の活躍もあり、ここを何とか凌ぐので手いっぱいという印象。鳥取はスピードのある選手をと奥山選手を入れたりするなどしますが、ボールをいい形で受け取ることができず、結果的には完封されることになります。
一方で欲を言えばここで追加点が欲しかったところ。どうしても高さのある選手が佐藤・島村あたりに限られてしまうので以前よりもヘッドでの得点、といった形が少なくなってしまうのかも。打点の強い登尾等の起用も面白かったかもしれません。

【徳島の守備固め】
以前であれば1-0という最少得点差には攻撃的なカードを切ることの多かった美濃部監督。この日もベンチには島田・六車といった攻撃的な選手が残っていました。しかしこの日選択したのは倉貫。彼が入ることで徳島の守備はブロックをより強固なものとし、終盤危ない場面を作ることはありませんでした。
このことは二つの意味をもっていたと思います。
一つはスピードあるボールで裏を狙う鳥取の作戦を封じたこと。この結果鳥取は最後まで惜しいシーンを作ることができませんでした。この点にはハメドをきっちり抑えきった三木の守備も大きいと思います。
もう一つは自陣でのブロックにより、危なげなくゲームをクローズできることができるようになったという点です。強豪チームの闘い方を見ると終盤などは自陣でのボール回しなどで時間をきちんと消費し、勝利を確実なものとする。そういった大人の部分がヴォルティスの終盤には見られるような気がしました。

結果、トータルでのシュート数こそ鳥取に上回れたもののきっちりと1-0で勝利。試合後サポ仲間の人と「もっとできたんじゃないかなぁ?」などと言ってみたりして見ましたが、中継を見るとやりたいサッカーが志向できて勝利という結果も残せたので、まぁ、よかったのではないかなぁという気もしたりします。


次は土曜日、富山との試合。富山は話によると実験的で面白いサッカーをしているそうなので、この対決も楽しみです(^-^)
by lulucchi | 2011-03-08 22:32 | ヴォルティス